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She left.

空港は、出会いと別れが凝縮された、なんとも言えない不思議な場所。再会を楽しみに待つ人、旅行を目前に興奮でいっぱいの人、哀しい別れをした人、泣きながらゲートに入っていく人、希望と夢で満ちあふれている人、新しい地に一歩足を踏み入れた人・・・。今日の朝、とても貴重で、とても大事に思っていた友人が、とうとう日本に帰国してしまった。私は彼女が帰国するということにずっと実感が持てずにいたのだが、さすがに空港まで来ると、これは事実なのだということを受け入れるしかなかった。

彼女は私よりも10歳近く年下で、元はと言えば同じ職場の上司と部下の関係だった。たまたまNYに留学する時期が重なったというだけで、それまでは数えるほどしか話したことの無い2人だった。彼女は私にとって、NYにいる唯一の知り合いとなり、しかし、詐欺から始まった私のNYライフは、全て彼女の助けと協力に支えられていった。家無き子の私は初日から彼女のアパートメントでお世話になり、地下鉄の乗り方、携帯、アパートメント探し・・・諸々、NYライフの基盤の全てを彼女が導いてくれた。あれから1年。私たちは知り合いから、貴重な友となり、お互いを良く知り合ってきて、これからもっともっと沢山の時間を共有していきたいというところだった。私にとって彼女の存在はとても大きく、他に友人を作る気さえも起こらなかった。本当に大切な友人は1人いればいい。そしてそれもやはり時間をかけて大切にしてきた友情であったからこそ、今回の別れは本当にきつく、寂しく、難しかった。別れの時には私も彼女もハグするのが精一杯で、言葉の一つも出なかった。彼女の友人が横で「これは別れじゃないよ、またすぐ戻ってくるしね」と言っていたが、これは大きな大きな別れであること、彼女はすぐには戻ってこれないということ、またNYで、昨日まで送っていたような生活をすることがこの先あるとしても、それにはとても長い時間がかかるということ、だから大きな別れなのだということ、そして日本へ本帰国するのだということ、色んなことがリアルすぎて、本当に言葉が何も出なかった。そして彼女が、彼がどんな気持ちで今いるのかと思うと。

NYは楽しいことが100倍楽しいように、哀しいことも100倍哀しいのだということを知った。
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by inBrooklyn | 2006-07-18 13:43 | soulmates
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